子どものマウスピース矯正
子どものマウスピース矯正の目的
近年、口腔機能発達不全症を抱えたお子さんが増加しています。いわゆる「お口ぽかん(口唇閉鎖不全)」で、日本の子どもの30%以上とも言われ、年齢とともに増加の傾向も報告されています。
関連して、低位舌(舌の位置が低い),口呼吸を伴い、上顎の狭い歯列アーチによる、歯並びの不正、上下の前歯の深いかぶさり、上顎の過度の成長、出っ歯、下顎の劣成長の他、口臭、歯肉炎、虫歯にも及びます。口腔周囲の、筋肉バランスが崩れて、悪化すると、心身の発育成長や学習能力にも影響を及ぼす事は研究論文でも指摘されています。悪化すれば、いずれ、睡眠時無呼吸症候群とそれに伴う合併症(高血圧、循環器疾患,糖尿病等),日中の、眠気による労働生産性の低下を招きます。
つまり、幼少期の歯並びの、不具合は生涯に渡って影響するのです。顎の状態から改善できる成長期に矯正歯科Ⅰ期治療(プレオルソ治療を含む)をおすすめします。また、矯正歯科Ⅱ期(Ⅰ期以降)治療を、抜歯などをせずに、軽度なケースにする事にも繋がります。Ⅱ期治療には、インビザラインマウスピース矯正が有効です。将来の生涯に渡る健康投資として、健康危機管理をおすすめします。
こんな習慣はありませんか
お子さんに、このような習慣や癖はありませんか。
- 口呼吸(口をポカンと開けている)
- よく頬杖をつく
- 指しゃぶりがある
- 爪を咬む癖がある
- 猫背であったり、姿勢が悪い
- うつぶせ寝をよくする
頬や唇、舌や表情など、お口周りは多様な筋肉があります。これらの筋力が弱かったり、日々のささいな習慣や癖によって、力の働く方向が本来とは異なっていると、歯ならびや顎のバランスが崩れる原因になるのです。
矯正治療が必要とされる歯並びの例
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叢生(ガタガタ)
4人掛けの椅子に6人座っている状態
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開咬
奥歯は噛むけど前歯が閉じない
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反対咬合
横からみた時に下の歯が出ている
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上顎前突
横からみた時に上の歯が出ている
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過蓋咬合
上の歯が下の歯に覆いかぶさっている
お子さんの歯の噛み合わせについて
昨今、口腔機能発達不全を抱えた子どもたちが増加しています。いわゆる「お口ぽかん(口唇閉鎖不全)」で日本の子どもたちの30%(2021)とも報告され、実際の有病率は更に高いとされています。
口唇閉鎖不全の多くは、舌の位置が低く口の周囲の筋肉バランスが崩れて上顎の狭いアーチとなり、鼻呼吸に影響を及ぼします。酷くなると、いびきなどが起こり睡眠障害となり、心身の発育成長に不可欠な成長ホルモンが不足する可能性があります。
子ども時代の不正の咬み合わせは将来に渡って様々な方面で影響するため、早めに歯並び改善の必要があります。
取り外しができるマウスピースで顎の健全な発達を促します
歯ならびは、お口周りの筋肉の影響を受けています。子どもの時期は成長過程にあるため、筋肉のバランスを整えやすいタイミングです。しのだ歯科医院では、マウスピース型矯正装置を用いることで適切にお口や顎の成長を促し、健全な永久歯が生えてくる土台を作ってまいります。
年齢に合わせた矯正治療
子どものマウスピース矯正治療は症例と年齢によって、治療内容が異なります。
乳歯から永久歯に生え変わる途中の混合歯列期にあごの骨のバランスや大きさを整える「乳歯・混合歯列期の治療(第Ⅰ期治療)」。そして永久歯の生え揃った12~13歳以降に行なう「永久歯列期の治療(第Ⅱ期治療)」から成り立ちます。ご来院いただいた際にお子さんのお口と現在の歯並びを確認し、矯正治療を開始するタイミングや、矯正治療が必要か、といった観点を踏まえて、ご案内を行ってまいります。
プレオルソ
6歳~12歳くらいまでの混合歯列期のお子さんが対象です。取り外し式のマウスピースを使用した治療法で、使用時間が短いため、日常生活に支障なく使用できます。
インビザライン・ファースト
7歳~12歳くらいまでの混合歯列期のお子さんが対象です。薄くて透明なマウスピースを使用するため、目立たず使用できます。
プレオルソ(機能的マウスピース型矯正装置)
プレオルソは、上下一体型で歯を覆う構造をしている機能的マウスピース型矯正装置です。出っ歯や受け口の改善を行っております。受け口は「反対咬合」とも呼ばれる、咬み合わせが悪い状態のひとつです。上顎の成長がさまたげられて下あごの成長が進んでいる状況です。マウスピースを装着するのはご自宅にいるときの1時間と就寝中のみで、それ以外には簡単なお口のトレーニング(あいうべ体操)を行うなだけなので、日常生活を送りながら治療を受けることができます。舌を正しい位置へ修正し、お口周りの筋肉を鍛えてバランスを整える効果があります。
プレオルソの特長
6~12歳が対象
乳歯と永久歯が混在している6~12歳頃の、骨が柔らかい時期に行うことで効果が期待できます。
お子さんへの負担が少ない
柔らかい素材でお口にフィットする形状のため、違和感や痛みが少なく装着できます。
装着するのは、ご自宅のみ
マウスピースを装着するのはご自宅にいるときの1時間と就寝中のみで、それ以外には簡単なお口のトレーニング(あいうべ体操)を行うなだけなので、学校では普段通り過ごすことができ、気軽に活用いただけます。
食事や歯磨きの際も安心
食事や歯磨きを普段どおりに行えますので、装置に食べかすが詰まってむし歯の原因になることもありません。もしも痛みが出たときには使用を一時中断するなどお子さんに合わせて柔軟に対応ができます。
プレオルソによる治療の効果
歯並びだけでなく、顎や筋肉のバランスを整える
歯ならびの原因となる筋肉のバランスを根本から整えることを目的とした装置です。口元が引き締まる、治療終了後の歯の後戻りの可能性が低くなる、といったメリットがあります。
口呼吸から鼻呼吸へ促します
お口周りの筋肉を鍛えたり舌の位置を修正したりすることで、お口をポカンと開けている症状を改善し、鼻呼吸への切り替えを促します。
- 口呼吸を鼻呼吸にするメリット
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口呼吸が習慣化されていると、唾液の分泌が低下し、唾液の質が下がります。すると口腔内の自浄機が低下し、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、十分に酸素を取り込めなくなるため、身体機能に影響が及ぶこともあります。口呼吸を鼻呼吸に切り替えることで、これらの問題が改善してまいります。また、ウイルス感染リスクが下がり、風邪を引きにくくなります。
◎治療費用(価格は全て税込となります)
プレオルソ(機能的マウスピース型矯正装置)
- 診断料 60,000円
- 調整料 5,000円
- プレオルソ交換料 10,000円 ※歯列咬合の変化や破損等で必要な場合があります
ワイヤー矯正(Ⅰ期)+プレオルソのコンビネーション
- 診断料 160,000円(100,000円+60,000円)
- 調整料 5,000円
その他
- 唾液検査 3,500円 ※当院では矯正治療時必要となります
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、7歳~12歳くらいまでの混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)のお子さんが対象のマウスピース型矯正装置です。「顎の大きさを広げる」ことと「歯並びをきれいに整える」ことを同時に行えるのが大きな特徴です。別々の時期に分けて行っていた治療を同時並行で行なうことができるため、治療期間が大幅に短縮でき、余計な治療費がかかりません。
インビザライン・ファーストの特長
透明で目立ちにくい
マウスピースが透明なため、装着していることがほぼわかりません。見た目に抵抗のあるお子さんも受け入れやすい治療です。
むし歯のリスクが低い
歯磨きや食事の際は取り外すことが可能なので、従来のワイヤー矯正装置と比較して虫歯のリスクを低く抑えることができます。
装着するのは、ご自宅のみ
装着するのは、ご自宅にいるときの1時間と就寝中です。学校では普段通り過ごすことができるので、気軽に活用いただけます。
安心して遊べます
薄くて滑らかな素材のため、スポーツや楽器演奏も普段通り楽しめます。
インビザライン・ファーストによる治療の効果
歯並び矯正と顎の発育促進を同時に行います
歯の移動具合や成長に合わせて、定期的にマウスピースを交換することで、顎の正しい成長を促進していきながら、歯並びの改善をおこなうことができます。
Ⅱ期治療の期間が短くなります
顎を広げて永久歯が健全に生えるスペースが確保されることで、自然な歯並びをサポートします。永久歯が生えそろった後に、大人のマウスピース矯正治療を行う際も、顎が十分に発達できているため、矯正が軽度で済み治療期間を短くすることが可能です。
◎治療費用(価格は全て税込となります)
インビザライン・ファースト フェーズ1(Ⅰ期)
- 診断料 350,000円
- 調整料 なし ※1年半の制約あり
インビザライン・ファースト フェーズ2(Ⅱ期)
- 診断料 350,000円
- 調整料 なし ※フェーズ1を行った患者様
その他
- 唾液検査 3,500円 ※当院では矯正治療時必要となります
- スキャン(光学カメラにての印象) 5,000円
- まとめ
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マウスピース型矯正装置は、「嚙み合わせ」と「歯並び」を改善すると同時に、お子さんを鼻呼吸へと導き、身体の健全な成長や発育を促します。お子さんのお口が気になる方は、お早めにご相談ください。