スポーツ・マウスガード
スポーツ・マウスガードは、スポーツ事故による唇や歯や顎へのダメージを軽減します。転倒時の脳しんとう予防にも効果があります。
スポーツには事故が付き物です。特に激しいスポーツの野球やサッカー、バスケットや柔道などの格闘技などには唇、歯、顎への怪我が多いとの報告があります。当医院では、お一人おひとりに合ったマウスピース(スポーツ・マウスガード)を作製し、怪我の予防につとめています。
スポーツ・マウスガードは歯を守るための防具です
スポーツと怪我について
スポーツと怪我は切っても切り離せない関係です。
顎、顔、口腔領域の外傷には、歯牙の破損や脱臼、軟組織損傷あるいは頸骨骨折などがあります。次の表は、スポーツの種類と外傷の発生状況をまとめた表です。
競技 | 件数 |
---|---|
野球 | 67 |
サッカー | 27 |
ラグビー | 20 |
バスケット | 14 |
空手 | 13 |
ソフトボール | 11 |
鉄棒 | 7 |
スキー | 6 |
競技 | 件数 |
---|---|
自転車 | 6 |
柔道 | 5 |
アメフト | 4 |
バレーボール | 3 |
ボクシング | 3 |
陸上競技 | 3 |
ゴルフ | 3 |
テニス | 3 |
競技 | 件数 |
---|---|
ドッチボール | 2 |
アイスホッケー | 2 |
体操 | 1 |
ヨット | 1 |
ボクシング | 1 |
ボーリング | 1 |
綱引き | 1 |
※スポーツ外傷による歯科医院受診状況を競技と例数によって表した(出典:2007年DENTAL DIAMOND 11月号)
激しいスポーツでありながら、ボクシングやアメフトの受診件数が少ないのは、スポーツ・マウスガードの着用が義務付けられているからだと考えられます。スポーツ・マウスガードの着用が義務付けられていないスポーツの場合でも、硬球や選手同士の接触による怪我を防ぐために、スポーツ・マウスガードの着用をおすすめします。
スポーツ・マウスガードで歯を守りましょう
スポーツ・マウスガードは前からの力に対して前歯の損傷を予防するために装着する防具の一種です。選手同士の接触頻度が高く激しいスポーツをされる方や、児童・生徒への装着が推奨されています。
しかし、スポーツ・マウスガードには発声傷害、嘔吐感の出現、唾液の貯留などが起こる場合があります。違和感のあるスポーツ・マウスガード装着はマイナスになりますので、正しく使用するためにも歯科医師のサポートが必要です。
高いパフォーマンスを発揮するために
スポーツ・マウスガードは怪我の予防のために使用するものですが、装着すると普段より良い結果が出ることもあります。その理由は科学的には未だ解明されていませんが、咬み合わせが安定することで体軸が定まり、いつも以上にスポーツに打ち込めるからかもしれません。
スポーツ選手やアスリートが最大限のパフォーマンスを発揮するためには、咬み合わせをはじめとする口腔環境を整えることも重要といえます。
体軸を整えて本来の力を発揮する
むし歯や歯周病が進行すると、しっかり噛むことができず、食事に影響を及ぼします。栄養の偏りが起こるだけでなく、咬み合わせのバランスが崩れていきます。悪い咬み合わせは姿勢にまで影響を及ぼすため、体軸が不安定となり、いままで通りの運動能力も発揮できなくなります。
むし歯や歯周病の治療を行うと共に、咬み合わせまで整えて、安定した体軸を作っていきましょう。
免疫力をあげて強い身体を作る
スポーツ選手は一般のひとに比べ、トレーニングによる疲労や、体脂肪率調整でのストレス、栄養の偏りなど、身体への負担が大きくなりがちです。
適度な運動は免疫力を高めますが、厳しい運動はかえって病気への抵抗力を弱めるという報告もあります。アスリートの健康を守るためには、正しい栄養管理を行うと共に、栄養を摂取するお口の環境を整えることが大切です。
スポーツ・マウスガードの製作 4つの特長
スポーツ・マウスガードはスポーツ店などで気軽に手に入ります。
しかし、既製品はお口に合わず違和感を覚える方もいらっしゃいます。
しのだ歯科医院では、次の4つにこだわって、お一人おひとりにぴったり合ったスポーツ・マウスガードを製作しています。
種目やポジションに合わせた設計
スポーツは、種目やポジションによって、他者との接触頻度や力の入るタイミングが異なります。最も適した咬み合わせになるようスポーツ・マウスガードの厚みや形状を調整しています。
スポーツ・マウスガード装着歴の有無に配慮
初めてスポーツ・マウスガードを装着する方には、なるべく薄くて馴染みやすい形状のものからスタートできるよう配慮しています。
お口の状態、癖などに合わせて製作
お一人おひとりの顎の大きさ、歯並びに合わせて製作するだけでなく、食いしばり方や癖、スポーツ時の顎の位置などを考慮しています。
成長期のスポーツ選手にも配慮
成長期のスポーツ選手は顎の成長によりスポーツ・マウスガード合わなくなってしまいます。しのだ歯科医院では、できるだけ長く使えるよう考えて作製しております。
お渡しまでの流れ
最低2回の来院でスポーツ・マウスガードをお作りいたします。初回でお口の中の型をとり、2回目のご来院でお客様にスポーツ・マウスガードをお渡しいたします。
スポーツ・マウスガード使用時の注意事項
1. スポーツ・マウスガードは試合中だけではなく練習中から使用しましょう
練習中にも外傷は起こり得ます。また、試合で本来の力を発揮するためには装着感になれておくことが必要です。また、使用具合の悪い所も分かってくるので直すこともできます。
2. 長時間の着用は避けましょう
長時間の使用は顎の関節、かみ合わせへの影響をひき起こす可能性があります。
3. 必要以上にかみしめないこと
4. スポーツ・マウスガードをはめるときは、前歯から入れましょう
奥歯の方にも指でしっかり押し入れます。(※咬んではめてはいけません)
5. スポーツ・マウスガードの取り外しは、両方の奥歯のところをつかんで行います
スポーツ・マウスガードの端の部分に、両方の指をひっかけて、すき間から空気を入れる様に、軽く押し開いてはずします。
6. スポーツ・マウスガードを使用した後には必ず流水で汚れを洗いましょう
スポーツ・マウスガードの汚れは洗浄剤(義歯用のもの)を使用して洗浄すると効果的です。洗浄後は、乾燥させて専用の容器に入れてください。なお、スポーツ・マウスガードは高温で変形しやすいのでお湯を使って洗浄する場合は、40℃以下におさえてください。
7. 歯ぐきが痛い、喋りにくい、呼吸しにくい、舌触りが悪い等は調整が必要です
8. 口を開けると落ちる、かみ合わせの面に穴がある等は作り直しが必要な場合もあります
9. 使用時にかむと痛みを感じる等の異常を感じた際はご相談ください
10.スポーツ・マウスガードの点検や、お口の状態を確認するために定期検診を受けましょう